
近年,携帯電話サービスに代表されるモバイルインターネット環境が普及し, 時間や場所を問わずにネットワーク上のさまざまなサービスを享受できるようになった. こうしたモバイルサービスを検索する手段としては「カテゴリ」などと呼ばれる領域ごとに 分類されたディレクトリ型のメニューやキーワード検索が主流である. しかし近年,モバイルサービスの数や種類が増えるに従いユーザが所望の サービスメニューを簡単に見つけられないという問題が起きている. 現行のメニューに基づく検索を改善する方法のひとつとして,タスク指向のメニューを 採用することが挙げられる.タスク指向のメニュー構造とは予想される ユーザの行動をメニューの項目とするもので,ユーザは「交通情報」のメニューを 選択する代わりに「新しいルートを探す」「修理を依頼する」のような「したいこと」 をメニューから探せば所望のサービスが得られる. ![]() タスク指向型のメニューを採用することでユーザにとっての モバイルサービスの利便性は高まるが,そもそも「実世界行動」は曖昧な概念であるため, 統一された基準で分析し記述することが必要である.したがって, 分析作業を行う者の違いになるべく左右されない記述の枠組みと規約を開発する必要がある. また,実世界での行動という広汎な対象を記述するために,記述された知識の一般性は高いほうが良い. 消費者の行動をタスクの観点から捉えることである程度共通化したモデル化が可能である. 例えば旅行中の移動,通勤の移動,建物内の上下の移動などさまざまな移動モデルを 「移動する」というタスクのモデルを具体化することで記述可能である . 以上の背景の下,モバイルサービスの利便性を高めるために本研究では タスク指向型メニューを実現するための知識記述枠組みを構築することを目標とする. 研究の第一段階として,モバイルサービスを利用するユーザの行為を分析する方式を提案する. 従来,「顧客の行動」のように分析方法が定式化されていない概念を分析対象とする場合には KJ法などのアイデア創出法が応用されてきた.本研究では大阪大学産業科学研究所溝口研究室にて 研究されてきたオントロジーの技術を応用する.オントロジー技術の目指すところは一般性の高い記述 による知識の体系化であり,サービスを享受するユーザ行為の体系化が必要な本研究との親和性が高い. ![]() 現在,(1)オントロジーに基づくモバイルサービスメニュー体系の高度化,(2)オントロジーとOOPS(Ontology-based Obstacle, Prevention, Solution)ユーザモデルに基づくモバイルサービスサイトのタスク指向型への変更支援,の2つの観点から,研究を進めている. ![]() |
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■学術誌論文 |
■著書
1.
古
崎晃司、來村徳信、笹島宗彦、溝口理一郎 共著、溝口理一郎 編集 「オントロジー構築入門」、オーム社、(2006).
| ■ 国際会議(査読あり) |