機能オントロジーに基づく機能的知識の体系的記述とその機能構造設計における利用
來村徳信,笠井俊信,吉川真理子,高橋賢,古崎晃司,溝口理一郎
人工知能学会論文誌,17(1), pp.73-84, 2002.

トップダウンな概念設計において設計者が与えられた要求機能を達成できる部分機能に分解する際には,機能を達成する方法に関する知識を用いていると考えられる.このような概念的な知識を設計者間で共有することで技術革新の可能性が高まると考えられるが,一般に暗黙的で明示化されていないことが多く,一般性と一貫性を持って記述することは容易ではない.筆者らは,このような機能的知識を体系化する枠組みを目指して,別稿で拡張デバイスオントロジーと機能概念オントロジーを提案している.これらのオントロジーの主要な効果 は,機能的知識を記述する際に現れる.本稿ではこれらの機能オントロジーに基づいて実際にどのように機能達成の方法を規定する知識を記述できるかを議論することを通じて,機能オントロジーの利用とその効果を示す.まず,記述対象となる機能達成の方法に関する知識について詳細な議論を行い,知識をと らえる際の中核概念として「方式」概念を提案する.次に,機能達成知識の組織化について検討し,方式概念に基づいた is-a 階層とその他の木構造を分類する.次に,このような理論的考察と別稿で述べた機能オントロジーの実装について議論し,実際に一貫性と一般性の高い方式知識の記述が可能であることを示す.最後に,記述された方式知識を用いた機能構造設計支援について述べる.設計者が要求機能を達成する方式を探索することを,さまざまな方式知識を提示することで支援することが可能であることを示す.ここではオントロジーの効果は間接的であり,オントロジーに基づいて記述される知識が一貫性と一般性を持つことによって,異なる領域の幅広い方式知識を利用することが可能 になる.

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